「人に迷惑をかけてはいけない」という呪いについて

あなたはこどものころ、親や先生から「人に迷惑をかけてはいけません」って教わりましたか?
日本ではたいてい、「人に迷惑はかけないようにしましょう。」と教えているかと思います。

そんなの当たり前だよね。と思いましたか?

でも、これ、当たり前じゃないんです。
そして、タイトルにもあるように、「呪い」でもあるのです。

この記事では
なぜ、「人に迷惑をかけてはいけない」という教えが「呪い」なのか、について説明していきます。

なぜ、人に迷惑をかけてはいけないのか

なぜ日本では「人に迷惑をかけてはいけない」と教えられているのでしょうか。

人に迷惑をかけてしまうと、

・相手を困らせてしまう
・手をわずらわせてしまう
・心配させてしまう
・怒らせてしまう
といったことが考えられます。

相手に嫌な思いをさせてしまうようなことはしてはいけない。
ということです。

日本では「おもてなし」などともよく言われていますが、他者に心地よく過ごしてもらいたい。という思いから他者を思いやる文化があります。

その「他者への思いやり」の延長上に、この「人に迷惑をかけてはいけない」というものがあるようです。

「人に迷惑をかけてはいけない」という教えの弊害

他者への思いやりからくる教えであったとしても、その結果困ったことにもつながってきてしまう場合もあります。

完璧主義になりがち

人に迷惑をかけないようにしようという思いから、なんでも自分でしようとしてします。
その結果、他人になかなか頼ることができません。

「人に頼る=迷惑をかける」にもなってしまうため、自分一人で完璧にこなせることを目指します。

もちろん、それはそれで志が高く、すばらしいことです。
しかし、はじめから全て完璧にできることばかりでもありません。

なにか新しいことを始めた時は特に、最初から完璧にはできませんよね。

それなのに、「人に迷惑をかけてはいけない。完璧にしなければならない」と思っていると、なかなか新しいことを始めることができません。

そうして、新しいことにチャレンジできなくなってしまうのです。

人に迷惑をかけられることを嫌がる

自分が人に迷惑をかけないよう努力しているひとは、他人に迷惑をかけられることをとても嫌います。

無意識に、ほかのだれかに対しても「人に迷惑をかけてはいけない」を要求してしまうんですね。
それを当たり前だと捉えているのです。

「自分はこんなに努力しているのだから、他者も同じように努力するべきだ。」と考えるからです。

そうなると、ちょっとでもだれかに迷惑をかけたり、ちょっとでも迷惑をかけられたと感じたら、すぐにおちこんだりイライラしてしまいがちです。

他人軸でものごとを判断するようになる

自分のことより先に相手のことを考えるようになります。
いっけんすばらしいことのようですよね。

ところが、ものごとをすべて他人を基準に考えるようになってしまうと、そのうち「自分が何を感じているのかわからなくなってしまう。」といったことにもつながってきてしまいます。

赤ちゃんのころは人に迷惑かけまくり

でも、ちょっと考えてみてください。

あなたは生まれてすぐの赤ちゃんのとき、なにもできませんでしたよね。

歩くこともできなければ、ごはんを食べることも、寝る事さえひとりでできませんでした。

服を着ることもできないので、寒すぎたり暑すぎたりしただけで、命すら危うくなってしまいます。

自分ではなに一つできなくて、生きていくすべてをまわりの人にしてもらっていたはずです。

もうすでに、これ以上ないってくらい、人に迷惑かけまくりですよね(笑)

でも、まわりの人は当たり前にあなたの世話をしてくれましたよね。

社会で生きていく以上、人に迷惑かけるのは当たり前

そうです。
人はひとりでは生きていけません。

だれか自分以外の人と関わる以上、必ずだれかに迷惑かけたり、かけられたりしているのです。

それが当たり前なのです。

それが当たり前なんだとわかると、あなたがだれかに迷惑をかけた時にあなた自身を責めることがなくなります。
そして、感謝をすることができるようになるのです。

だれかがあなたになにか迷惑をかけたとしても、あなたはそれを許すことができるでしょう。

だって、それはただ単に、「人と関わっている」というだけのことなんですから。

最後に

いかがでしたでしょうか。

わたしたちはみな、幼い時から「人に迷惑をかけてはいけない」と教わってきました。
それは確かに、「他人を思いやる」という美徳と通じるものです。

しかし、あまりにもそこに捕らわれすぎてしまうと、今度は自分の事が分からなくなっていってしまいます。

その教えを守ろうとするあまり、
・完璧主義
・他人から迷惑をかけられることを許しがたい
・他人軸
というような困った事態も起こりえます。

人に迷惑をかけないことはすばらしいことかもしれません。
しかし、迷惑をかけてしまうこともあります。

というよりむしろ、人と関わる以上、迷惑をかけてしまうことは当たり前なのです。

逆に、だれかから迷惑をかけられることも当たり前なのですよね。

まずは、「人に頼ること」、「迷惑をかけること」、これらをあなた自身に許してあげてください。

そうすることで、他人も自分自身も受け入れることができるようになっていきますよ。

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